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2025年が住宅省エネのターニングポイント

  • 執筆者の写真: 万事屋 群馬リフォーム
    万事屋 群馬リフォーム
  • 11月21日
  • 読了時間: 7分


2025年は、日本の住宅・建築分野において「省エネ(エネルギー効率)」に関する大きな転換点が訪れる年です。国土交通省は、2025年4月から新築住宅を含むすべての建築物に対して、省エネ基準への適合を義務付ける建築物省エネ法の改正を施行します。 


この制度改革によって、省エネ性能は住宅を選ぶ際の“当たり前基準”に変わるでしょう。本記事では、2025年の法改正の中身、求められる省エネ性能、施主やリフォーム会社が押さえておきたいポイント、将来的な展望までを詳しく解説します。




1. 建築物省エネ法とは ― 背景と目的



まず、建築物省エネ法(正式名称:「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」)の基本を押さえましょう。これは、建築物におけるエネルギー消費を抑えるための性能基準を定め、その適合性を確保するものです。 


背景には、日本の建築物分野が国全体のエネルギー消費およびCO₂排出量に占める割合が非常に大きいという現実があります。省エネルギー性能を高めることは、カーボンニュートラル(脱炭素)社会の実現、さらにはエネルギーコストの削減、居住快適性の向上にも直結します。 




2. 2025年4月改正のポイント




2.1 対象範囲の拡大



改正後は、小規模な住宅も例外なく省エネ基準への適合が義務付けられます。これまで説明義務(=努力義務)だった300㎡未満の住宅にも適合義務が広がるのが大きな変化です。 

具体的には、2025年4月1日以降に工事着手される住宅・建築物が対象となります。 



2.2 審査制度の強化



建築確認申請時に、省エネ基準への適合性の審査が組み込まれるようになります。つまり、従来の建築基準法チェックに加えて、一次エネルギー消費量や**外皮性能(断熱など)**が基準をクリアしているかどうかも審査対象です。 



2.3 増改築への対応



増改築時にも、省エネ基準が関係してきます。改正後は、増改築した部分に対して、省エネ基準適合を求められるケースもあることが明示されています。 

ただし、すべての増改築が対象になるわけではなく、省エネ性能に影響が小さい例外(たとえば非常に小さい面積など)もあります。 




3. 「省エネ基準」とは何か — 具体的な評価項目



省エネ基準が義務化されるにあたり、どのような性能を満たす必要があるのかを理解することが重要です。



3.1 外皮性能(UA値・η値)



  • 外皮平均熱貫流率(UA値):壁・屋根・窓などを通じて逃げる熱量を示す指標。数値が低いほど断熱性能が高い。 

  • 冷房期の平均日射取得率(ηAC値):窓などから入る日射熱をどれだけ取得(または遮蔽)できるかを評価。



これらの性能をクリアすることで、建物の断熱性・遮熱性が一定水準以上であることを示します。 



3.2 一次エネルギー消費量



住宅で使うエネルギー(冷暖房、給湯、照明、換気など)を “一次エネルギー” として評価します。省エネ基準では、一次エネルギー消費を抑えることが求められています。 

住宅の設計段階でエネルギーシミュレーションなどにより、一次エネルギー消費量が基準以下に収まるかを確認します。




4. 2025年義務化のメリットとデメリット




4.1 メリット



  1. 快適性の向上

    高断熱・高遮熱の住宅は、室内温度を一定に保ちやすく、夏は涼しく冬は暖かい快適な住まいになります。

  2. ランニングコストの削減

    エネルギー消費が効率化されれば、冷暖房・給湯などの光熱費を抑えられます。

  3. 資産価値の向上

    将来的に省エネ性能が見える化された住宅は、資産としての価値が高まりやすい。長期的な視点で住まいを考える人にとって魅力的です。

  4. 環境・脱炭素貢献

    建築物分野からのCO₂排出削減に貢献。2050年カーボンニュートラルに向けた国の戦略と整合。 

  5. 将来基準への先取り

    2025年義務化が第一段階。国は2030年までに省エネ基準をZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)水準に引き上げる予定です。 

    → 今から高性能住宅を建てる/リフォームすることで、将来の規制強化への対応力が高まります。




4.2 デメリット・課題



  1. コスト増加

    高性能断熱材、高性能サッシ、高効率設備などを導入するには、建築コストが上がる可能性があります。

  2. 設計・審査の手間

    建築確認申請時に省エネ適合性の審査が加わることで、設計段階のシミュレーションや資料作成、確認申請の手間が増える可能性があります。

  3. 施工の品質確保

    高断熱住宅を実現するためには、施工精度(断熱材の施工、気密、サッシ施工など)が非常に重要。施工ミスがあれば性能を発揮できません。

  4. 将来の基準引き上げリスク

    2030年にZEH水準相当まで省エネ基準が引き上げらる想定があるため、2025年基準だけ満たしている住宅は将来的に “中性能” に分類される可能性があります。 





5. リフォーム会社・工務店にとっての重要ポイント



リフォーム会社や工務店としては、この2025年法改正をビジネスチャンスとして活かすことが可能です。



5.1 顧客への情報発信強化



  • 見込み客向けコンテンツ:ブログやメールで「2025年省エネ基準義務化」をテーマに解説。お客様が「なぜ今リフォームや新築を考えるべきか」を理解できるようにする。

  • 相談会やセミナー:省エネ住宅のメリット、補助金、設計のポイントを紹介する無料相談・セミナーを定期開催。




5.2 設計・提案力の強化



  • シミュレーション能力:UA値、一次エネルギー計算を行える設計者・施工者を育て、設計段階から省エネ性能を落とさない提案を。

  • 高性能素材・設備の採用:断熱材、窓サッシ、換気・冷暖房設備など、省エネ性能に強い商材をラインアップに加える。




5.3 施工品質とアフターの保証



  • 気密施工の徹底:気密性を確保するための施工チェック体制や検査を強化。

  • 完成後の性能確認:気密測定・断熱性能チェックなどを行い、「設計通りの性能が出ている」ことを実証。

  • アフターサポート:断熱材の劣化、設備のメンテナンス、将来の省エネ設備追加(太陽光、蓄電池)など長期でのフォロー。




5.4 補助金・優遇制度の活用支援



省エネ住宅やZEHには、国・自治体レベルで補助金が出るケースがあります。顧客に対して、適用可能な補助金制度や税制優遇(住宅ローン減税など)を案内できると差別化要素になります。実際、2024年から省エネ性能未適合の住宅は住宅ローン減税の対象外になるケースも指摘されています。 




6. 技術トレンド/注目ソリューション(2025年以降)



ここでは、リフォーム会社・設計者が押さえておきたい技術・トレンドを紹介します。



6.1 高断熱・高気密化技術



  • 断熱材の高性能化:高性能グラスウール、発泡系断熱材(硬質ウレタンなど)、自然系断熱材(セルロースファイバーなど)を適材適所で使う。

  • 窓サッシ:トリプルガラス、Low-Eガラス、高性能アルミ・樹脂サッシを使って熱貫流率を下げる。

  • 気密施工:気密シート、気密テープ、ウレタン吹付などを適切に使って、隙間風を防ぐ。




6.2 高効率設備



  • ヒートポンプ:エアコン、エコキュート、ヒートポンプ給湯器など、効率のよい設備の導入。

  • 換気システム:熱交換換気(ロスナイ、セントラル換気など)により、換気による熱損失を抑制。

  • 照明:LED照明、調光/人感制御などによって電力消費を抑える。




6.3 再エネ・スマート技術



  • 太陽光発電(PV):自家消費を前提に、屋根への太陽光パネル設置。将来、蓄電池との組み合わせも検討。

  • 省エネ管理システム(スマートホーム):AIやIoT を使ってエネルギー使用を最適化(冷暖房、照明、給湯などの制御)。

  • エネルギーモニタリング:リアルタイムでエネルギー消費を可視化し、無駄を発見・改善。





7. 将来展望:2030年・2050年に向けて




7.1 2030年:ZEHレベルへの引き上げ



国交省や関連政策によれば、2030年までに省エネ基準をZEH水準(実質ゼロエネルギー住宅)相当に引き上げることが目標とされています。 

これは、2025年基準が “中間地点” であり、将来的にはさらに厳しい省エネ性能が当たり前になる、ということを意味します。



7.2 2050年:カーボンニュートラルの実現



2050年カーボンニュートラルという国家目標に向けて、建築物分野(住宅を含む)は非常に重要な役割を果たします。 

省エネ性能の高い住宅を増やすことは、CO₂削減、エネルギー安定供給、住環境の質向上を実現する鍵となるでしょう。


防水工事の様子

 
 
 

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